横浜アートメイククリニック院長の星です。
今回も前回に引き続き、アートメイクと美容施術の関係についてお話していこうと思います。
アートメイク以外にも気になる美容施術があるかたや、すでに何かしらの美容施術を受けている方はぜひこちらの記事を参考にしてください。
前回の記事では
①外科系の処置×アートメイク
1.外科系の処置×眉毛アートメイク
についてお話しました。
今回は
2.外科系の処置×リップアートメイク
についてお話ししていきます。
リップの外科系の処置とはどのようなものがあるかご存知でしょうか。
国内で特に良くある処置には以下のようなものがあります。
・唇を薄くする:たらこ唇改善
・口角を上げる
・唇をM字にする
・上唇を厚くする(リップリフト)
このあたりでしょうか。
日本国内でやっている人を見たことはありませんが、海外ですと下唇を厚くする手術もあるようです。(国内で例があったらぜひ教えてほしいです)
上記は美容目的で行われることが多いですが、先天性の疾患(具体的には口唇裂など)がきっかけで唇の手術をされることもあります。
唇というのは解剖学的に面白い構造をしています。
※解剖学的な「唇」は実は鼻の下の人中や、顎のあたりの一部も含みますが、ここでいう「唇」は、赤い部分の唇のことを指します。
赤い部分も顕微鏡よーーーく見ていくと、外気に触れている部分(普段リップを塗る部分です)と、上下の唇が重なるあたりより内側の、口の中に近い部分で構造が異なります。
口の中に近い部分は粘膜と呼ばれる構造に近く、逆に外側に行くにつれて通常の皮膚に近い構造となっていきます。

口の中を間違って噛んでしまったことは誰でも経験があると思いますが、その傷跡がいつまでも口の中に残っている人はいないでしょう。口を大きく開けてじっくり見てみても、いつか噛んだ傷跡を見つけることはできないと思います。
口の中は粘膜で覆われていますが、このように粘膜は傷が治りやすく、傷跡になりにくいという特徴があります。逆に、唇の外側に行くにつれて粘膜の特徴を失っていきますので、傷跡ができる可能性が出てきます。
前述の手術のほとんどは、唇の一部を切り取り、縫い合わせる処置を行う手術ですが、縫い合わせる部分が唇の外側に近い部分の場合、傷跡が気になることがあります。
また口を閉じていれば大丈夫でも、口を開けた際に傷の部分が気になることも。
そんな時にはアートメイクで傷を目立たないようにすることが出来ます。
ただ多くの場合、傷跡が目立たないようなデザインを行いますので、よほど無理な手術でない場合、この傷跡は問題にならないことが多いと思います。
傷跡以外では、実際リップのアートメイクと、唇の手術はどちらが先がいいのかというと、アートメイクのカラーと、切除範囲によります。
リップのアートメイクは、多くの場合、前述の粘膜部分には色を入れません。ちょうど上下の唇の合わさる部分の辺りまでの施術ですので、手術とは関係ない部分の場合がほとんどです。アートメイクが入ってる部位の唇の組織の切除が必要な場合は、以下の2パターンに分けて考えられます。
1.グラデーションにリップのアートメイクが入っている場合、あるいはアートメイクを入れてから時間が経っており、色がまだらな場合。
このような場合は、手術で一部を切り取ってしまうと、濃い部分と色の薄い部分が縫いあわせられるので色のギャップが出来てしまう可能性はあります。
2.均一にカラーが入っている場合。
この場合は縫い合わせられた部分にギャップはありませんので、気にする必要はありません。
まとめると
多くの場合、アートメイクの部位と、手術の部位は被らないため、どちらが先でも影響はない。
ただし、手術範囲が広い場合など、アートメイクの施術部位と、手術部位が被る場合があり、その際にはアートメイクが後の方がいい。
手術に関しては主治医のデザイン次第のため、悩んだら手術を先に行う方が無難でしょう。
ただアートメイクが先に入っている場合でも手術は行えますし、万一手術後に傷の部分で2色になってしまった場合にはアートメイクにリタッチをすることで直すことが出来ます。手術によって傷跡ができてしまった場合にもアートメイクは有効です。
※アートメイク後は1週間〜10日程度多少なり腫れがある場合があります。手術の際には腫れが完全にひいてから受けましょう。
手術による傷が治る前にアートメイクをする場合、感染や色の不整につながる可能性がありますので、そこだけ気をつけていただきたいと思います。
切開を伴う手術の場合、多くは1〜2週間で抜糸となります。
その後傷が完全に閉じるまでは数週間かかることもありますので、手術後のアートメイクは最低でも1ヶ月は空けましょう。また切除範囲にもよりますが、触った時や押さえた時に痛みを感じる場合には、無理せず痛みがなくなってからアートメイクに臨んでください。
今回は
①外科系の処置×アートメイク
2.外科系の処置×リップアートメイクについてお話ししていきました。
次回は3.外科系の処置×アイラインのアートメイク、注射×アートメイク
のお話を書いていこうと思っています。
こちらのコラムではアートメイクに関すること、美容に関することを横浜アートメイククリニック院長星が気ままに書いています。
ランダムな更新になりますがお付き合いいただけたら幸いです。